引き寄せノートを買ってきた。でも、何をどう書けばいいのか分からない。

調べると書き方がいくつも出てきて、かえって手が止まります。完了形で書く。日付を書く。感情を書く。全部やろうとして、一ページ目で疲れる。

先に答えを言うと、効いていたのは書式ではありませんでした。書いたあと、翌朝それをどう扱うかのほうです。そして、寝ている間に起きていることには、測った研究があります。順番に、書きます。

ノートに、何を書くのか

僕がノートを用意したのは、人生がいちばん崩れていた時期でした。友人に勧められて、一冊だけ買いました。

そこに書いたのは、収入のこと、本当に信頼できる相手のこと、体重と健康診断の数値、そして深めたい人間関係と、切りたい人間関係でした。

客観的に見れば、おめでたい内容です。貯金を失った直後の人間が、勝手に入ってくる収入のことを書いている。破談になった直後に、本当に好きな相手と結ばれると書いている。夜ご飯にハンバーガーを食べながら、軽くて動きやすい体がほしいと真剣に願っている。

それでも、真剣に書きました。ここでやったことが、ひとつだけあります。

現実から考えることを、一度やめました。どうすれば叶うのか。いつまでに叶うのか。自分にできるのか。そういう問いを、いったん横に置いたのです。

かわりに、もしすべて叶うならどうなるか、という気持ちで書きました。叶った自分は、朝どんな気分で目を覚ますのか。隣に誰がいて、どんな体で一日を過ごすのか。金額ではなく、情景のほうを書いています。

条件を書く金額、期限、方法。どうすれば、いつまでに、自分にできるのか。書くたびに、まだ無いことを確認する情景を書く叶った朝、どんな気分で目を覚ますのか。隣に誰がいて、どんな体か。現実から考えるのを一度やめて、全部叶うならの気持ちで条件を書く金額、期限、方法。どうすれば、いつまでに、自分にできるのか。書くたびに、まだ無いことを確認する情景を書く叶った朝、どんな気分で目を覚ますのか。隣に誰がいて、どんな体か。現実から考えるのを一度やめて、全部叶うならの気持ちで
書く中身は、条件ではなく情景。書式より、ここのほうが効いた。

書いたあと、何をするのか

ここからが、今日の本題です。

僕がやったのは、ひとつだけでした。ノートを枕元に置いて、毎朝、一ページ目を読んでから一日を始める。

書くのは一度きりで、読むのは、毎日です。多くの書き方の説明は、書くところで終わっています。ただ——効いていたのは、そのあとのほうでした。理由は、たぶん単純です。朝いちばんに読むものが、その日一日の、探しものを決めるからだと思っています。

しばらくすると、妙なことが起きるようになりました。夢のなかで、仕事のアイデアが浮かぶのです。そのとおりに動いてみると、うまくいく。というより、何をすればいいか分かっている、という確信に近い状態になりました。

眠っている間に、脳は何をしているのか

ここで、調べた話を置きます。

2009年、カリフォルニア大学のメドニックたちが、眠りと発想の関係を実験しました。参加者に、三つの単語から共通して結びつく四つ目の単語を探す課題を出す。そのあと、休憩だけの組、浅い眠りの組、レム睡眠まで入った組に分けて、午後にもう一度課題を解かせました。

レム睡眠を取った組だけが、成績を上げました。しかも、記憶が良くなったからではありません。離れた情報どうしを結びつける力のほうが上がっていた。眠っている間に、脳は、起きているときには結びつかなかったものを、つなぎ直していたのです。

休憩・浅い眠り午後の成績は変わらず覚えたものは覚えている結びつきは増えないレム睡眠午後の成績が上がった記憶が増えたのではない離れた情報が結びついた休憩・浅い眠り午後の成績は変わらず覚えたものは覚えている結びつきは増えないレム睡眠午後の成績が上がった記憶が増えたのではない離れた情報が結びついた
レム睡眠だけが、離れた情報を結びつけた。夢のなかでアイデアが浮かぶのは、これだった。

朝に読んだ一ページ目が、その日の探しものを決める。夜、眠っている間に、脳がそれと関係のあるものを結びつける。翌朝、夢のなかにアイデアの形で出てくる。僕に起きていたことは、順番としてはこれでした。

浮かんだものを、どう残すのか

ただ、忘れることも多くありました。朝に用事を入れると、慌てて準備を始めるので、思い出そうとしても出てこない。お酒を飲んだ日は、そもそも夢を見ませんでした。

そこで、再現できるように条件のほうを整えました。朝に予定を入れない。夢を見た日の過ごし方をそろえる。起きたらすぐ、忘れないうちに書き留める。

叶った情景を、一度だけ書く毎朝一ページ目を読んでから、一日を始める眠り脳が、関係のあるものを結びつける翌朝浮かんだものを、忘れる前に書き留める叶った情景を、一度だけ書く毎朝一ページ目を読んでから、一日を始める眠り脳が、関係のあるものを結びつける翌朝浮かんだものを、忘れる前に書き留める
ノートは書いて終わりではなく、毎朝の入口。眠りが、そのあとを引き受ける。

結果として、これが睡眠の質を上げることにもつながりました。夢を見た日はすっきり目が覚めて、思いついたことを試したくてたまらなくなる。まわりからは、急に活動的になったように見えたはずです。

ノートに書いた願いは、一年経たないうちに、ほとんど現実になりました。ノートが叶えたのではありません。書いたあとの毎朝が、目に入るものを入れ替えて、夜の脳が、それを結びつけていっただけだと、僕は見ています。